診療内容

薬物療法

心療内科、精神科で用いる薬(向精神薬)には以下の通り、様々な種類があります。

 

抗精神病薬 〜幻覚、妄想、興奮
抗うつ薬 〜制止、抑うつ気分、意欲低下
抗不安薬 〜不安、イライラ
睡眠薬 〜不眠
気分安定薬
(抗てんかん薬、抗精神病薬)
〜躁うつ、情緒不安定、気分の浮き沈み
抗躁薬 〜躁状態
アルコール依存症治療薬 〜断酒維持、飲酒欲求抑制
抗認知症薬   〜認知症の進行抑制
漢方薬   〜不安、不眠、イライラ

 

現在、心療内科、精神科領域で理想的な治療薬、あるいは特効薬と言えるものはありません。

医師の指導(精神療法)のもと、症状を緩和させる目的で少量単剤用いるのが原則です。病気に対して薬を使うのではなく、症状に対して薬を使うと考えたほうが実践的です。

これは、かぜ薬の服用と同じ考え方です。私たちはかぜを引いた時、かぜ(上気道ウイルス感染症)を治すためにかぜ薬を服用するのではなく、かぜの不快な症状(咳、のどの痛み、鼻水、だるさ)を軽くするためにかぜ薬を服用するのです。その上で、安静・保温・栄養を心がけ自然回復を促します。

 

精神症状の消失後、薬を減量中止することもありますが、再発予防のための服用や安定した状態を維持するための長期服用を勧めることもあります。

 

剤形も多種類あり、錠剤、口腔内崩壊錠、細粒、液剤、貼付剤、注射剤、持続性筋注剤などがあります。患者さんやご家族の希望に合わせて処方します。

 

また副作用の治療や予防のため以下の薬を処方することもあります。

 

抗パーキンソン病薬
胃薬、整腸剤、下剤

精神療法

上記薬物療法の効果を最大限に発揮させる目的で、療養上の様々な助言(生活指導、環境調整)を行います。

(臨床心理士によるカウンセリングではありませんので、性格上の悩み、夫婦関係・恋愛関係の相談や家庭内の問題などには応じておりません)

 

「話すこと」の大切さ

悩みや葛藤を抱え込むことは、心や身体に悪影響を及ぼすため健康上好ましくありません。問題が解決しなくとも人に話すだけで気分は楽になります。

これは、便秘のとき浣腸するようなものです。便秘を放置すると、肌あれ、腹満感、 だるさ、不快感、気分が晴れないなどの症状が起こり、さらに放置するとイレウス(腸閉塞)という深刻な病気になります。慢性便秘症が治らなくとも浣腸により今の便秘を解消することはとても大切です。精神療法やカウンセリングは、いわば「心の浣腸」です。

 

また話すことは悩みや葛藤を人と共有することでもあり、これだけでも気分が楽になります。

重たい荷物でも何人かで協力すれば一人の負担が軽くなり運びやすくなるようなものです。

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